2011年9月17日土曜日

Smile Experience オープンラボ2011の案内



研究室の多様な活動を紹介する「Smile Experienceオープンラボ」も今年で5年目。

今年は、ユーザーエクスペリエンスに関連する作品展示だけでなく、「スマイルカンパニー」という企画展示や大学院生による研究発表なども予定しています。

作品展示では、千葉工業大学デザイン科学科の山崎研究室と原田研究室の大学院と学部生を中心にしながら、デザイン演習での作品も出展します。

皆様のお越しをお待ちしております。
タイトル:Smile Experience オープンラボ2011
日時:9月23日(祝金)10:00-19:00
   第1会場:7号館1階フレキシブルワークスペース
   第2会場:12号館12階山崎研究室
主催:千葉工業大学デザイン科学科山崎研究室/原田研究室
定員:なし、参加費:無料


■企画展示「スマイルカンパニー」(10:00-19:00)
[調査部] ユーザー調査手法と調査事例
[発想部] 発想手法と発想事例
[試作部] 試作(プロトタイプ)手法と試作事例
[評価部] ユーザー評価手法と評価事例
[ショールーム]
・ミラノサローネ出展作品
・エコデザインプロジェクト
・トヨタユニーバーサルデザインプロジェクト
・修士研究

■大学院研究発表(12:30-14:30)
・デザインの基礎学習のための学習教材、久保田拓朗
・タッチインターフェースに効果的なプロトタイプ手法の研究、新井青磁
・モバイル機器の使いやすさ改善に適したユーザー調査手法の研究、上田香織
・思い出からの発想ーユーザーの思い出に残る体験から『嬉しい事』を提案する手法、小谷津のぞみ
・WARAI PRODUCTSの研究ー世界へ向けた笑いを誘発するプロダクトの研究、亀井隆昭
・電子書籍の読む状況に適したインターフェースの提案、高津美穂
・メタファを利用したプロダクトデザインの研究、三丸拓也
・デザインイノベーションに適したユーザー調査結果の分析手法の研究、稲葉貴志
・デザインプロセスにおけるスケッチを活用した コミュニケーションの提案、石田貴昭

■研究および作品展示(10:00-19:00)
・富士通デザインプロジェクト
・航空管制プロジェクト
・コミュニティのためのワークショッププロジェクト
・うれしくなるためのパターンプロジェクト
・Scratchを使った算数教材の制、作澤孝治
・CIID Summer School 2011の報告、田中翔子
・ワークショップのドキュメンテーション、吉田和裕
・五感を活用したデザインイノベーション手法の研究、黒坂晋
・タスクに対する適切なインタラクションデザインの研究、小畑和馬
・アフォーダンスを活用した心地よい生活のための研究、脇屋玲央
・カラーデザインにおける携帯電話のコミュニケーション、楊舜翔
・情報デザイン演習や製品デザイン演習の作品展示
・上記以外にも多くの作品の展示があります。

2011年8月27日土曜日

パターン・ランゲージと「経験」「分かる」ということ




今日、第三回研究会の慶応大学の井庭さんのパターン・ランゲージに関するプレゼンをUSTをミラノで見ました。他の作業の手を進めながら見ていたので、すべての声が拾えていないのですが、ここで「経験」と「分かる」ということがキーワードになっていることに興味を覚えました。

実は、第二回研究会のローカリゼーションマップのプレゼンの後の懇親会で、山崎さんに「ぼくの頭のなかでは、パターン・ランゲージとローカリゼーションマップはつながっているんだよ」と言われました。その場で酒を飲みながら、長谷川さんにパターン・ランゲージについて手短に説明を受け、「あっ、これは近そうだ」と直感でぼくも思いました。

そして、「経験」と「分かる」。

先月出版した『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか』に合わせ、3人の方に対談をお願いしました。そこで、共通の質問をしたのですが、それが「経験」と「分かる」です。『イシューからはじめよ』の著者、安宅和人さんは、こう語りました

「脳神経系で『理解』とは物理的に存在しません。2種類の情報からの信号が1つの神経上で重なり合う現象のことなんです。つまり、複数の情報が何ら かの重なる関係を持つ時、我々は『分かる』という状態になるのです。だから、コンテクストを共有することがものすごく重要なわけですね」

 日常生活において、論理的に繋がる現象が眼前にあることは稀だ。一方で自分の内省と外界を結び付けられないと、分かった気になれない。したがって、「異文化の世界観を現場経験なしに理解することは難しい」と安宅さんは言う。

二人目は比較文学者で詩人の管啓次郎さんは、こう話します

「異文化の理解とは部分的であり、常に再発見があるものです。一瞬一瞬の火花と言ってもいい、知識の印象なんです」

「東北地方の津波被害も、ローカルに伝わる経験が活かされた地域と軽視した地域で明暗が分かれましたよね。また、神戸の震災の経験が東北に役立った場合と、その経験の汎用性に信頼しすぎたためにうまくいかない場合の2つのケースがあるわけです」


そして、最後は東大 i.school のディレクターである田村大さん
「ある土地のことが分かったというのは、住人になりきれることでしょう。そこに住む人が喜ぶ、ワクワクするということが、自分に全人格的にインストールされていないとダメ。ネイティブとしてわかる。学生にも何かやる時には、必ず現場に出かけて何かを感じろと言っています」

それぞれに共通しているのは、経験なしに分かるということはありえない、ということです。この3人の方と「経験主義の罠」については話し合いませんでしたが、「経験しかないんだよ」と言い切った後に、「でもね・・・」と続けたい。そこで考えるべきは、如何に経験のないところから経験値と称すべきポイントに接近できるか、如何に経験の最大利用効率を図るか、如何に他人の経験を自らに移植するか、ということでしょう。

ローカリゼーションマップとの相性でいえば、視点の重要性を強調しているところが、態度として共感でき最初の交差点になります。この交差点、うれしいことに何ブロック先でもいくつかあり、ローカリゼーションマップの視界がさらによくなりそうです。

2011年8月1日月曜日

UXD initiative 第3回研究会|UXDパターンランゲージ

UXD initiative 第3回研究会|UXDパターンランゲージ

UXD initiativeでは、UXDパターンランゲージをテーマとして第3回研究会を実施します。多数のご参加をお待ちしています。

■ 実施概要

テーマ:UXDパターンランゲージ
日時: 8月26日(金) 18:30 ~20:30(開場は18:00)終了後希望者で懇親会
場所: 株式会社コンセント 会議室(JR恵比寿駅より徒歩5分)
スピーカー:井庭崇氏(慶應義塾大学)、安藤昌也氏(千葉工業大学)
申し込み:こくちーずより申し込んでください。
主催:UXD initiative
連絡先:UXD initiative SIGリーダー 長谷川敦士(コンセント)

■ プログラム概要
ユーザーエクスペリエンスデザインは現在、手法、ファシリテーション、考え方においてさまざまな研究がなされています。

ここで一つ参考にすべきアプローチとして、建築家クリストファー・アレグザンダーが提唱した、パターンランゲージ(パタンランゲージ)アプローチがあります。

これは、パターンという言葉から受ける、レゴブロックの積み重ねのようなアプローチとは真逆で、建築の構成因子を要素分解するのではなく、実際の経験から得られた行動のパターンとして抽出し、活用するという考え方です。

パターンランゲージアプローチは、ものの設計だけではなく、行為やそこから得られる感覚、学習までを取り入れた考え方であり、領域横断的であり、かつ利用者の主観を重視するユーザーエクスペリエンスデザインにたいへん近いともいえます。

今回の研究会では、実際に大学の教育プログラムにパターンランゲージアプローチを実践されている慶應大学SFCの井庭崇氏をお招きし、パターンランゲージアプローチの背景から、学習パターン導出のプロセス、そして実際の活用状況までをお伺いします。

また、これに対して、千葉工業大学にてユーザーエクスペリエンスデザイン教育を実践している安藤昌也氏からユーザーエクスペリエンスデザイン教育の現状を紹介していただき、これらをもとに議論を深めたいと考えています。

井庭崇氏
1974年生まれ、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科修了(博士)
現在、慶應義塾大学 総合政策学部准教授
http://vu9.sfc.keio.ac.jp/faculty_profile/cgi/f_profile.cgi?id=8d809f4991c2f2be

学習パターン(ラーニングパターン)を制作。
大学教育への導入やワークショップを行っている。
http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/

■ プログラム
18:30~19:30
井庭崇氏(慶應義塾大学 SFC)
「ラーニング・パターン:経験を語るためのメディアの制作と導入」

19:30~20:00
安藤昌也氏(千葉工業大学)
UXD教育の実際

20:00~20:30
ディスカッション
参加予定:
長谷川敦士(コンセント)
山崎和彦(千葉工業大学)

2011年7月31日日曜日

マリオベリーニの会の募集



マリオベリーニの会を開催できることになりました。

今回はミラノのマリオベーリニ事務所で働いてた三浦英夫氏から話題を提供してもらい、参加者でマリオベリーニの魅力や文化の異なる世界でのデザインアプローチについて議論します。興味がある方はぜひご参加ください。

タイトル:マリオベリーニの会
日時:8月22日(月)18:00-19:50(開場は17:00)
場所:千葉工業大学津田沼キャンパス(JR津田沼駅より徒歩3分)新2号棟12階山崎研究室
参加費:無料  
主催:千葉工業大学工学部デザイン科学科山崎研究室
定員:25名(先着順)
申込:こちらのWebサイトより申し込んでください。

趣旨:オリベッティ、ヤマハ、象印のプロダクトデザイン、カッシーナやヴィトラの家具デザインや建築で著名なマリオベリーニについて、同事務所で働いてた三浦英夫氏から話題を提供してもらい、参加者でマリオベリーニの魅力やデザインアプローチについて議論する。

内容:
17:00-18:00 開場(マリオベリーニの作品を見る)
18:00-18:10 はじめに、山崎和彦(千葉工業大学、教授)
18:10-19:30 マリオベリーニのデザインについて、三浦英夫(福井工業大学、教授)
19:30-19:50 参加者全員でディスカッション
(希望者は終了後懇親会)

三浦英夫氏 略歴
1953年東京生まれ。京都工芸繊維大学意匠工芸学科卒業。同大学院中退後、渡伊。ミラノ Mario Bellini デザインオフィス勤務(1979年~1985年)
仏RENAULTのインテリア・エクステリア、BRIONVEGAのTV・オーディオ機器、富士写真フィルムのカメラ、NTTの電話機、YAMAHAのヘッドホーン・ポータブルキーボード、象印マホービンの炊飯器・電気ポット等担当。帰国後フリーランスデザイナー、2009年より現職。
日本でのクライアントは、セイコー、象印マホービン、富士写真フィルム、日本電気デザインセンター、SONY、立山アルミニウム工業、カンキョー、CANON、NTT等。主に未来型提案デザインに携わる。イタリアにてスチロールモデルによるデザイン提案の手法を収得し現在でも立体でのデザイン提案が信条となっている。「デザインしないようにデザインする」最近そう考えている超アナログ人間です。

2011年6月27日月曜日

どれだけの領域にタッチするか?




少々、この場をご無沙汰していたので、近況をかねて書いておきましょう。

先週、日経ビジネスオンラインの「新ローカリゼーションマップ」で米ZIBAの濱口さんのインタビュー記事を掲載したのですが、色々な方からご意見を頂いて思ったのは、案外、「ステレオタイプな分け方をするな!」という批判が聞こえてこなかったことです。記事のなかに、「ステレオタイプに考えるのではなく、差異をみるためのもの」と書いてあったためか、そういう批判が単に聞こえてこなかったのか分かりません。しかし、あえてジャンルわけをして違いを炙り出すことに違和感を抱かない人が、増えているのではないかという気もします。

私が、あの記事で今後の重要テーマとしてみているのは、「共通行動パターンをとる人」(ダイアグラムのN領域)は限定的で、「文化を選択する自由度を享受する人」の増加の可能性です。例えば、より定着すればするほどソーシャルメディアをやっていても同じ感覚ということはあり得ず、ソーシャルメディア内の区分けが広がるはずで、だからこそソーシャルメディアが生活の深いレイヤーに届くと考えるのが妥当だと思います。このことを、先週、私はドバイ空港で読書をしながらつらつら考えていました。

その結果が、岡田暁生「音楽の聴き方」のレビューです。音楽美は語るものではない・・・という言説は、ドイツにおける近代ロマン主義とナショナリズムに起因しているという、なかなか説得性のある論を展開しています。「感性」を考える人たちにとって、とても有益だと思うのでお勧めです。あまり我田引水になってもいけませんが、私は本書を読んで、ローカリゼーションマップの音楽面からのアプローチであると理解しました。文脈に嵌ってこそ音楽は楽しめるというくだりは、デザインに対するローカリゼーションマップの考え方と同じです。

先週土曜日、「米国における日本アニメ」をテーマに勉強会を開催し、読売新聞記者の笹沢教一さんに講師をしてもらいました。結局のところ、米国での日本アニメの売り上げピークは数年前であり、その後は下降線にあるだけでなく、ピーク時にあってさえ日本アニメの比率は数パーセントに過ぎなかった。おういう事実をどう見るべきか、よく考えないといけません。なぜなら、「文脈論」という視点で議論しないとおさまりがつかないことが余りに多いという気がするからです。

今週金曜日、産業技術大学院大学のミニ塾での講演も、これらのエピソードを踏まえながらお話することになるかなと考えています。また、今週土曜日に開催する勉強会ニンテンドーDSが世界で売れる理由」も、DS以外がなぜ売れないのか、その底にローカリゼーションの問題がどう横たわっているのかー例えば、ニンテンドーがDSでローカリゼーションをしないと決めるまでの経験ーなどについて、ゲームジャーナリストの小野憲史さんにお話いただく予定です。

とにかく、領域を広くとらないと、ものごとは見えてこないと思います。色々な尺度を時と場合によって使い分ける術をどう習得するかが課題で、そのために、できるだけ多くの業界の事象を追っていこうと考えています。

リンク

2011年6月19日日曜日

Smile Experience 講演会「テッド・セルカー(カーネギーメロン大学)がデザインインテリジェンスを語る」

山崎研究室では、ユーザーエクスペリエンス関連する海外の研究者やデザイナーをお招きして、講演会を開催しています。

今回は、元MITメディアラボ准教授で、現在カーネギーメロン大学准教授のテッドセルカー氏をお招きして、どのようにして革新的なデザインを創造するのかという講演会を開催します。
皆様のお越しをお待ちしています。


第6回Smile Experience 講演会「テッド・セルカー(カーネギーメロン大学准教授)がデザインインテリジェンスを語る」

日時:7月5日(火)18:00開場 18:30-20:00 講演
主催:千葉工業大学工学部デザイン科学科山崎研究室
共催:UXD initiative、日本デザイン学会サービスイノベーション部会
場所:千葉工業大学津田沼キャンパス7号館1階フレキシブルワークスペース(JR津田沼駅より徒歩5分)
定員:30名(申込順)
参加費:無料(懇親会3000円程度)
申込:こくちーずより、7月1日(金)までに申し込んでください。(先着順)

概要:
元MITメディアラボ准教授で、現在カーネギーメロン大学准教授のテッドセルカー氏が、これまでの経験、研究や作品を紹介しながら、どのように革新的なアイデアのデザインを生み出すかについて語ります。

ここでは、デザインインテリジェンスという視点より、新しいコンセプトのコンピューター、キッチンから車まで、多様なプロジェクトで革新的なコンセプトを創造するデザイン事例を通して、どのようにインスピレーションと評価が進められていくのか話をする。

講演は英語ですが、僕の方で、少し日本語での解説をします。

講師紹介:
博士というより、発明家というのがふさわしい、多様な活動。MIT Media Lab.に行くまでに、 IBMアルマデン研究所(Fellow)、Xerox PARC 、 Atari Research Labs.などを歴任。

IBMアルマデン研究所では、Fellowとして、IBM ThinkPadのTrack Pointという入力デバイスを開発したことでも有名。

MIT Media Lab.
では、Context Aware Computing, Counter Intelligence、Design Intelligenceなどのグループのリーダーとなり、日本企業ではアルプス、クリナップ、パナソニック、リコーと、欧米の企業では British Telecom, Campbell’s soups, Chrysler, Ford, MasterCard, McDonald’s, Pepsiなど多くの企業とコラボレーションを続けた。

・Ted SelkerのWebサイトを参照
・Counter Intelligenceのプロジェクトはこちら

2011年6月14日火曜日

第2回UXD initiative 研究会「デザインと食を結ぶ感性とロジック」開催のお知らせ

第2回のUXD initiatve研究会の開催日程が確定いたしましたのでご案内いたします。

第2回 UXD initiative研究会「デザインと食を結ぶ感性とロジック」
・日時: 7月8日(金)18:00~20:00
・場所: 株式会社コンセント 
   〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1丁目20番6号 第21荒井ビル
   http://www.concentinc.jp/access/ 
・主催: UXD initiative

・話題提供: 安西洋之氏 (モバイルクルーズ株式会社代表取締役 ビジネスプランナー)
・申し込み: こちらよりお申し込みください
・定員: 20名
・参加費: 無料
・ディスカッション参加予定:
長谷川敦士(コンセント)
安藤昌也(千葉工業大学)

・ハッシュタグ: #uxdin