2011年11月28日月曜日

第6回UXD initiative研究会 |次世代のエクスペリエンスマップ・ワークショップ

第6回UXD initiative研究会は、イノベーションを生み出す商品戦略、ブランド戦略、サービス戦略のために、下記のようなワークショップを企画しました。


■タイトル:次世代のエクスペリエンスマップ・ワークショップ
■日時:12月12日(月)17:00-21:00(受付は16:40より)終了後は希望者は懇親会。
■場所:株式会社コンセント会議室(JR恵比寿駅より徒歩5分)
東京都渋谷区恵比寿南1丁目20番6号 第21荒井ビル
■参加費:無料

■趣旨:企業の商品戦略、ブランド戦略やサービス戦略のために、カスタマーの体験を視覚化することが重要です。対象となるユーザーの購入してから使用するまでの経験を視覚化したジャーニーマップという手法があります。ここでは、次世代のエクスペリエンスマップについてのワークショップを開催します。これは、複数の人を対象に長期戦略の相互作用を考慮したエクスペリエンスマップで、イノベーションを生み出す商品戦略、ブランド戦略、サービス戦略など基本となるもので、視覚化することにより多くの人が理解しやすい資料となります。

今回は、コンテンツエボリューションの創始者であるケビンクラーク氏を中心に、山崎氏と長谷川氏がこのプログラムを担当します。ケビンクラーク氏と山崎氏は、IBMのエクスペリエンス戦略、ブランド戦略とデザイン戦略をコラボレーションした関係にあり、長谷川氏とはHCD-Netなどでも協力している関係にある。ケビンクラーク氏の英語については、山崎氏が概要を日本語でお話する予定です。

■概要:
・イントロダクション:これからのエクスペリエンスマップについて
・ワークショップ1:エクスペリエンスを考慮する対象者の拡大
・ワークショップ2:エクスペリエンスの時間軸の拡大
・ワークショップ3:次世代のエクスペリエンスマップの作成
・まとめ:エクスペリエンスマップの活用について

■企画担当SIGリーダー
・山崎和彦(千葉工業大学)
・長谷川敦士(株式会社コンセント)

2011年11月9日水曜日

第5回UXD initiative研究会 |イタリアンライフを題材にした ローカリゼーション・ワークショップ




■開催概要

日時:2011年11月28日(月曜日) 18時00分開場、18時30分~20時30分
開催場所:株式会社コンセント 会議室(JR恵比寿駅より徒歩5分)
東京都渋谷区恵比寿南1丁目20番6号 第21荒井ビル
参加費:無料
定員: 20人(先着順)
申し込み: こくちーずよりお申し込みください
懇親会場所:未定(決定次第掲載します)
懇親会費:4,000円(税込)
※終了後、懇親会を予定しております。
懇親会の会場を押さえる都合上、懇親会への参加を予約された方は、ご欠席される場合でも会費をいただきますのでご了承ください。


■プログラム概要

この7月に「デザインと食を結ぶ感性とロジック」を開催し、ローカリゼーション視点の使い方について研究会を開催しました。製品は必ずしもローカライズされる必要はありませんが、ローカリゼーションが必要かどうかは常に考えておこないといけません。そこで何を考慮しないといけないかについて議論しました。

今回は7月の研究会を踏まえ、ローカリゼーションをテーマにワークショップを実施します。異文化の理解について一緒に考えながら、異なったコンテクストに適した製品デザインを試みたいと思います

題材としてイタリアの生活を取り上げます。参加の前に必ず、以下のブログ記事をお読みください。ワークショップで扱う対象が食材ということではなく、あくまでも「異文化理解→製品開発」の一つのヒントとして読んでください。

http://uxd-initiative.blogspot.com/2011_10_01_archive.html

*7月に研究会に参加された方に限らず、まったく新しい方の参加も歓迎です。


■企画担当SIGリーダー

長谷川敦士(株式会社コンセント)
安西洋之(モバイルクルーズ株式会社)

■問い合わせ先

長谷川敦士 <hase@concentinc.jp>
安西洋之<anzai.hiroyuki@gmail.com>

2011年10月16日日曜日

七味オイルの商品開発ストーリー




 来月、この研究会でぼくの関わっている七味オイルの開発ストーリーをワークショップの素材に使うことになりました。そこで3年ほど前に書いた以下の文章を、やや長いですが、ここに掲載しておきます。研究会の告知は追って行います。

<ここから>

 2008年7月下旬、私たちは長野の善光寺を散歩しました。既に日は落ちかかり、人も少ない、門前の商店も閉まっている。そんな時刻です。八幡屋礒五郎社長の室賀さんが、歩きながら39ある宿坊とその仕組みを説明してくれます。デル・ポンテ社長のアレキサンダーは20年もの昔、一人で半年ほど日本の各地を旅して回った自分の若き姿を遠くに見つめ、卍が寺を意味することを13歳の娘に教えます。同時に、都内の昔ながらの家に下宿し、日本人以外の付き合いを遮断しながら、冷える畳に正座してひたすら日本の哲学の本を読んだ日々を思い出します。

室賀さんは善光寺の次に、参勤交代時に大名が宿泊したという元旅館に案内してくれました。道に面したファサードは大正時代のアール・デコ様式です。奥には数寄屋造りの和室があります。ここでイタリア・フランス・日本の各料理がミックスした懐石料理を頂きました。西洋と日本の美味が実に自然に表現されています。

異文化交流が料理の世界ではスタンダードであることを今更ながらに再認識しました。マネージャーは、フランスのリヨンでコックとして働き、東京のヌーヴェル・キュイジーヌのレストランに長くいた方です。「フランス料理では20年も前から日本の蕎麦を試してきた」「私自身もオリーブオイルには七味唐辛子が合うと思い、2-3年前、自分で調合して試したことがある」というマネージャーの話しを聞きながら、今回の七味オイルのプロジェクトが料理の世界の文脈にしっかりと嵌っていることを私は確信しました。


アレキサンダーとの出会い

 私がアレキサンダー・フォン・エルポンスと出会ったのは、1993年冬です。彼はミュンヘン大学で哲学と日本学を勉強していたのですが母親が逝去。トスカーナの丘にある大きな邸宅と広い農園を遺産として継ぎました。ある日、彼と私の共通の友人から、その頃住んでいたトリノの自宅で一本の電話を受け取りました。

「学究肌のドイツ人がオリーブ農園を持っているんだけど、日本文化に関心が強く、オリーブオイルを使ったビジネスで日本と関係を築いていきたいと言うんだ。一度、会って話を聞いてくれないか?」

これが全てのはじまりでした。彼はお洒落なギフトボックスのデザイン作業を開始していました。ベルギーの大学でも法学部の学生だった彼に、グラフィックデザインの才能がこれほどにあるとは想像していなかった私は、驚きました。そして、香はまろやかで味は柔らかくなめらかでありキリッとしています。「この味とセンスなら日本にも紹介できる」と考え、日本のインポーターを開拓していきました。



彼はどう育ったのか?

時をさらに遡りましょう。幼少の頃よりネクタイにジャケットで自宅の夕食の席につく環境で育ち、イエズス会の厳しい教育の高校生活を終えたアレキサンダーは外交官の道を望み、ルーヴァンカトリック大学では法学部へ進みます。しかしながら、教養課程で哲学に触れた彼は、法律に魅力を感じなくなっていきます。

母親に「法学部を卒業すればあとは何を勉強しても良い」と言われた彼は、法学部に在籍しながらハイデッガーとニーチェの勉強を進めます。そこでハイデッガーと交流のあった九鬼周造に興味を抱き、『「いき」の構造』に出会います。禅の思想にも関心を持ち、ルーヴァンカトリック大学の教授に、ミュンヘン大学の日本学の教授を紹介されました。ドイツ人の父親とベルギー人の母親の間に生まれた彼は、スイスで生まれベルギーで育ったのですが、ここでまったく新しい文化と遭遇したわけです。

日本学を勉強しはじめ、彼の生き方に変化が生じます。合理的でスピードがすべてという効率主義に疑問を抱きはじめたのです。きっかけは漢字の学習です。ここで効率以外の価値があることを見出したのです。アルファベットからすれば複雑な形状の漢字は、覚えるにも書くにも時間を要します。しかし、表現された漢字は沢山の意味を同時に伝えることが可能です。

大きな驚きがここにありました。より広い構図からものを考える拠点を見出したと言ってよいでしょう。また漢字にある象形文字が、牛、馬、草、竹など農業に関係のあることに気づき、日常の生活からものを考える世界にも惹かれていきます。漢字を上手く書くために、左利きから右利きに変えました。


多様で多種の異文化との出会い

異文化との出会いが彼を変えたのは、日本だけではありません。イタリアもそうです。87年、それまでも頻繁にトスカーナを訪れていた彼の母親が、高級保養地として名高いモンテカティーニに別荘を購入しました。イタリアの有名なTVジャーナリストの所有だった邸宅です。それまで以上に、ここを訪れるようになった彼は、イタリアのライフスタイルにあるプラグマティズムを知るようになります。

フランスやプロイセンで貴族の称号を得ていた家系は、15世紀のイタリアのデル・ポンテ家に源流があります。5世紀以上の時を経て、彼は自分の血にもともとあったイタリア文化を発見したのです。そうなると、自分探しのための哲学がなんとなく色あせて見えてきます。アレキサンダーが哲学の試験勉強をしているとき、92年に結婚するベルギー人のファビエンヌが、オリーブの収穫を一人で仕切ることもありました。こうした姿も、書籍から学ぶことが中心だった彼の人生観を大きく変えていったのです。グルグルと回転しながら進む彼の思考が、じょじょに直線的になっていきました。


日本式の露天風呂を作る

それから、自分で何でも作るようになります。オリーブオイルのギフトボックスのデザイン(七味オイルのボックスもそうです)、後述する20トン近い大理石を使った和式露天風呂、林の中に飼っている豚から作る生ハム。これらは彼の「自作」のほんの一例です。子供の頃、ベルギーのお祖父さんの別荘で働く職人たちの仕事を熱心に眺めていた彼らしい成果です。

しかし、とても慎重な男であることは変わりません。「自分が知っていることは分かっているけれど、知らないことは知らない」と言い、1999年、トスカーナに家族を残してブリュッセル自由大学でMBAを取りました。ビジネスの世界のことも、本で事前に分かることは全て分かっていた方が良いと考えたのでしょう。当然のことながら、オリーブオイルの味に対しても同様です。彼はトスカーナのオリーブオイルの質をテスティングする資格を所有していますが、この資格も仕事の合間を縫いながら研修に通って取得しました。


いい加減な商品企画にはのらない

日本とのビジネスも軌道にのってきた頃、ある会社から、「オリーブオイルの質は問わないから」ペペロンチーノやハーブを入れたオリーブオイルを作ってくれないかとのオファーが寄せられました。アレキサンダーは、こう語りました。

「オリーブオイルの質が生きてこそ、デル・ポンテの製品と言える。そのようなリクエストをする会社は真面目とは思えないから、取引したくない」

そのとき、彼はエキストラヴァージンに何か別のものを入れることに否定的であったわけではありません。ペペロンチーノのオイルは昔からあり、それに批判的であったわけでもありません。しかも、日本の何らかの味との融合に関心はあったのです。しかし、その相手が何であればいいか、その具体的なアイデアはもっていませんでした。ただ、何か新しいコンセプトの商品への意欲は常にありました。


七味オイルのアイデアの誕生

長野県上田市にあるギフト商品会社を経営する石森さんとのおつきあいは10年近くになります。2007年の2月、石森さんから「日本で三大七味唐辛子の一つと言われる善光寺の八幡屋礒五郎さんの七味とオリーブオイルのコラボ商品を企画してみませんか?」と提案がありました。私は、瞬時にこれは面白いと思い、アレキサンダーに伝えました。

彼からも「是非、挑戦してみたい」との即答を得られました。彼は七味唐辛子がどんなものか知っていました。そして、ミックスさせるものが日本の伝統調味料であることにも大きな魅力を感じました。早速、石森さんが試験的に作ったサンプルをテスティングし、「イタリアのペペロンチーノにはない奥深い味だ。しかも、デル・ポンテのエキストラヴァージンオイルの味と香りが十分に生きている!」とアレキサンダーは感嘆します。

ドイツと日本の哲学、イタリア文化、これらが統合され最後の刺激材料だけを待っていた状態だったのかもしれません。280年余続いてきた老舗七味唐辛子と地中海の典型的な調味料であるオリーブオイルの融合、七味オイルというコラボ商品の開発は、こうしてスタートを切りました。


裸の付き合いが実現

モンテカティーニはフィレンツェの西北にあたり車で1時間程度の街です。この街の背後に広がる山の中にアレキサンダーの邸宅と農園があります。ここに7-8人はゆったりと入れる和風露天風呂があります。洗い場もあり、和式の桶など日本から取り寄せました。アレキサンダーとファビエンヌが新婚旅行で日本の温泉地巡りをした思い出が、そのままあります。二人で日本のイメージを思い起こしながら、イタリアの建材を使って作りあげました。

湯の中に体を沈めると水面のはるか向こうには修道院が見えます。しかし、湯は日本を感じさせてくれます。2007年11月、八幡屋礒五郎の室賀さん、石森さん、アレキサンダー、そして私の4人で一緒にこの風呂に入りました。七味オイルのビジネスプランついて思い思いに語り合ったのですが、この和と洋の空気の調合具合が話をとてもスムーズなものにしてくれました。


「和洋折衷」という言葉は、今や若干古臭いイメージがついてまわるような気もするのですが、この七味オイルへの皆さんの反応をみていて、和洋折衷の積極的な意義をつくづく私は感じています。妥協ではなく、お互いが自分の価値をより高めながら距離を縮めあうその姿勢自身が潔く寛容であり、相手方の文化への敬意が表現されます。異なるものを全く入れないことで純粋性を保つ価値観もありますが、あえて違ったものと衝突しながら新たなものを目指す姿勢には、緊張感とスガスガしさが感じられます。この点に七味オイルの新鮮さが凝縮されています。


→関連ブログとして以下

http://milano.metrocs.jp/archives/2093

「インフォグラフィックにみる文化差」(#lmap の勉強会)

ローカリゼーションマップの勉強会のお知らせです。

今回のテーマはUXD Initiative の活動に関心のある方々にも興味のあると思われるので転載しておきます。

<ここから>

参加希望者は、anzai.hiroyuki(アットマーク)gmail.com かt2taro(アットーマーク)tn-design.com までお知らせください。議論に積極的に参加していただける方、本研究会の今後の活動に貢献していただける方、大歓迎です。内容に一部変更になる可能性がありますが、その際は、ご了承ください。場所はいつもと同じく、六本木アクシスビル内のJIDA事務局(http://www.jida.or.jp/outline/)です。

11月19日(土)16:00-18:00 「インフォグラフィックにみる文化差」

言葉が通じないけどアイコンなら分かるだろうと思う傾向があります。しかし、日本においては現物のコピーを忠実に表現し、欧州では現物のコンセプト を伝えることに注力しようとします。そうすると例えば、日本のデザイナーが作ったクルマのワイパーのアイコンが欧州においては扇子にしか見えなかったとい うエピソードがあります。このように、あるモノに対するイメージとその表現は文化によって違います。したがって、アイコンには言葉での説明の併記が望まし いという議論が生まれるわけです。

今、インフォグラフィックの重要性が盛んに語られます。多くの言葉と情報があふれるなかで、一定品質の情報を如何に共有するかは大きな課題です。情 報は伝達されてはじめて意味があります。しかし、コミュニケーションに100%はあり得ません。でも100%を目指す態度は必要です。そのためにどうすれ ば良いのでしょうか?

その目標実現の一つとしてインフォグラフィックが大切な役割を果たせるかどうか。これを今回の勉強会のテーマにします。講師は、セキュリティシステ ムのエキスパートである石垣陽さん。人気ブログ「デザイン思考ー無限の発想を生み出す方法」の筆者です。このブログをちょっとでも読めば、話しを直接聞い てみたいと思うはず・・・。

参加定員数:20名
参加費:1500円(18:00以降の懇親会参加費を含む)

講師:石垣 陽(いしがき よう)

1976年東京生まれ。
デザイン・科学・アート・工学の界面に興味を持っています。ブログ「デザイン思考 / www.design-thinking.jp」 を運営。電気通信大学大学院修了、多摩美術大学大学院修了、修士(工学・芸術)。大手サービス会社にて10年間、政府認証基盤・遠隔医療・セキュリティシ ステム の研究開発に従事。情報処理学会SPT研究会委員。国際デザインコンペティション、富士通モバイルフォンデザインアワードなどを受賞。

尚、フェイスブックのページ(下記)でもローカリゼーションマップの最新情報を提供していきますので、このページを「いいね!」に入れておいてください現在、1207人の方にフォローいただいています。

http://www.facebook.com/localizationmap

2011年10月11日火曜日

第4回UXD initiative研究会 | インストラクショナルデザイン

■開催概要
  • 日時:2011年11月17日(17時45分開場、18時30分〜20時00分)
  • 開催場所:株式会社コンセント 会議室(JR恵比寿駅より徒歩5分)
    東京都渋谷区恵比寿南1丁目20番6号 第21荒井ビル
    ※18時以降に来場される場合は、正面玄関が施錠されてしまうため、個別に呼び出しが必要となります。詳細はお申し込みされた方に後日メールいたしますので、ご留意ください。
  • 参加費:無料
  • 定員: 20人(先着順)
  • 申し込み: こくちーずよりお申し込みください
  • 懇親会場所:未定(決定次第掲載します)
  • 懇親会費:4,000円(税込)
    ※終了後、懇親会を予定しております。懇親会の会場を押さえる都合上、懇親会への参加を予約された方は、ご欠席される場合でも会費をいただきますのでご了承ください。 

■プログラム概要 
ユーザエクスペリエンスをデザインする一つの手がかりとして、安藤(2010)の研究では、利用意欲の強さが重要との指摘があります。しかし、”意欲”はそもそもデザインできるのでしょうか? 

そこで今回のUXD initiativeでは、学習意欲という観点からシステムや教材の開発、効果の測定を主な関心事とする“インストラクショナルデザイン”の研究領域に着目し、学習意欲とは何か、また学習意欲をデザインするとはどういうことか、について首都大学東京の渡辺先生をお招きし講演いただきます。

渡辺先生は、モバイルラーニングを研究されており、UXDともきわめて近いご研究をされています。

  • 18時30分〜19時30分
    「学習意欲のデザイン」 首都大学東京大学教育センター助教 渡辺雄貴氏
  • 19時30分〜20時00分
    ディスカッション 

※本会は研究会です。ご参加の皆様の積極的なディスカッションを目的としております。事前にインストラクショナルデザイン等について予習を行っておいていただきますと議論が活発になります。

■講師略歴
渡辺雄貴氏 首都大学東京 大学教育センター助教
東京理科大学理学部,東京工業大学社会理工学研究科人間行動システム専攻教育工学講座学習メディア工学分野在籍.青山学院大学ヒューマン・イノベーション研究センター特別研究員,東京大学大学院情報学環特任研究員などを経て現職.
電車環境におけるモバイルラーニングの効果,環境の差違による学習コンテンツの設計モデルの開発などを研究している.専門は,教育工学,インストラクショナルデザイン.


■企画担当SIGリーダー
安藤昌也(千葉工業大学工学部デザイン科学科

■問い合わせ先
安藤(ando[at]sky.it-chiba.ac.jp)

2011年9月17日土曜日

Smile Experience オープンラボ2011の案内



研究室の多様な活動を紹介する「Smile Experienceオープンラボ」も今年で5年目。

今年は、ユーザーエクスペリエンスに関連する作品展示だけでなく、「スマイルカンパニー」という企画展示や大学院生による研究発表なども予定しています。

作品展示では、千葉工業大学デザイン科学科の山崎研究室と原田研究室の大学院と学部生を中心にしながら、デザイン演習での作品も出展します。

皆様のお越しをお待ちしております。
タイトル:Smile Experience オープンラボ2011
日時:9月23日(祝金)10:00-19:00
   第1会場:7号館1階フレキシブルワークスペース
   第2会場:12号館12階山崎研究室
主催:千葉工業大学デザイン科学科山崎研究室/原田研究室
定員:なし、参加費:無料


■企画展示「スマイルカンパニー」(10:00-19:00)
[調査部] ユーザー調査手法と調査事例
[発想部] 発想手法と発想事例
[試作部] 試作(プロトタイプ)手法と試作事例
[評価部] ユーザー評価手法と評価事例
[ショールーム]
・ミラノサローネ出展作品
・エコデザインプロジェクト
・トヨタユニーバーサルデザインプロジェクト
・修士研究

■大学院研究発表(12:30-14:30)
・デザインの基礎学習のための学習教材、久保田拓朗
・タッチインターフェースに効果的なプロトタイプ手法の研究、新井青磁
・モバイル機器の使いやすさ改善に適したユーザー調査手法の研究、上田香織
・思い出からの発想ーユーザーの思い出に残る体験から『嬉しい事』を提案する手法、小谷津のぞみ
・WARAI PRODUCTSの研究ー世界へ向けた笑いを誘発するプロダクトの研究、亀井隆昭
・電子書籍の読む状況に適したインターフェースの提案、高津美穂
・メタファを利用したプロダクトデザインの研究、三丸拓也
・デザインイノベーションに適したユーザー調査結果の分析手法の研究、稲葉貴志
・デザインプロセスにおけるスケッチを活用した コミュニケーションの提案、石田貴昭

■研究および作品展示(10:00-19:00)
・富士通デザインプロジェクト
・航空管制プロジェクト
・コミュニティのためのワークショッププロジェクト
・うれしくなるためのパターンプロジェクト
・Scratchを使った算数教材の制、作澤孝治
・CIID Summer School 2011の報告、田中翔子
・ワークショップのドキュメンテーション、吉田和裕
・五感を活用したデザインイノベーション手法の研究、黒坂晋
・タスクに対する適切なインタラクションデザインの研究、小畑和馬
・アフォーダンスを活用した心地よい生活のための研究、脇屋玲央
・カラーデザインにおける携帯電話のコミュニケーション、楊舜翔
・情報デザイン演習や製品デザイン演習の作品展示
・上記以外にも多くの作品の展示があります。

2011年8月27日土曜日

パターン・ランゲージと「経験」「分かる」ということ




今日、第三回研究会の慶応大学の井庭さんのパターン・ランゲージに関するプレゼンをUSTをミラノで見ました。他の作業の手を進めながら見ていたので、すべての声が拾えていないのですが、ここで「経験」と「分かる」ということがキーワードになっていることに興味を覚えました。

実は、第二回研究会のローカリゼーションマップのプレゼンの後の懇親会で、山崎さんに「ぼくの頭のなかでは、パターン・ランゲージとローカリゼーションマップはつながっているんだよ」と言われました。その場で酒を飲みながら、長谷川さんにパターン・ランゲージについて手短に説明を受け、「あっ、これは近そうだ」と直感でぼくも思いました。

そして、「経験」と「分かる」。

先月出版した『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか』に合わせ、3人の方に対談をお願いしました。そこで、共通の質問をしたのですが、それが「経験」と「分かる」です。『イシューからはじめよ』の著者、安宅和人さんは、こう語りました

「脳神経系で『理解』とは物理的に存在しません。2種類の情報からの信号が1つの神経上で重なり合う現象のことなんです。つまり、複数の情報が何ら かの重なる関係を持つ時、我々は『分かる』という状態になるのです。だから、コンテクストを共有することがものすごく重要なわけですね」

 日常生活において、論理的に繋がる現象が眼前にあることは稀だ。一方で自分の内省と外界を結び付けられないと、分かった気になれない。したがって、「異文化の世界観を現場経験なしに理解することは難しい」と安宅さんは言う。

二人目は比較文学者で詩人の管啓次郎さんは、こう話します

「異文化の理解とは部分的であり、常に再発見があるものです。一瞬一瞬の火花と言ってもいい、知識の印象なんです」

「東北地方の津波被害も、ローカルに伝わる経験が活かされた地域と軽視した地域で明暗が分かれましたよね。また、神戸の震災の経験が東北に役立った場合と、その経験の汎用性に信頼しすぎたためにうまくいかない場合の2つのケースがあるわけです」


そして、最後は東大 i.school のディレクターである田村大さん
「ある土地のことが分かったというのは、住人になりきれることでしょう。そこに住む人が喜ぶ、ワクワクするということが、自分に全人格的にインストールされていないとダメ。ネイティブとしてわかる。学生にも何かやる時には、必ず現場に出かけて何かを感じろと言っています」

それぞれに共通しているのは、経験なしに分かるということはありえない、ということです。この3人の方と「経験主義の罠」については話し合いませんでしたが、「経験しかないんだよ」と言い切った後に、「でもね・・・」と続けたい。そこで考えるべきは、如何に経験のないところから経験値と称すべきポイントに接近できるか、如何に経験の最大利用効率を図るか、如何に他人の経験を自らに移植するか、ということでしょう。

ローカリゼーションマップとの相性でいえば、視点の重要性を強調しているところが、態度として共感でき最初の交差点になります。この交差点、うれしいことに何ブロック先でもいくつかあり、ローカリゼーションマップの視界がさらによくなりそうです。